音楽フェスは、ずっと「若い人のもの」やと思っていた。
音楽そのものは好きで、ラジオもよく聴くし、サブスクにも入っていた。
それでも、フェスだけは別世界の話やった。
50歳が見えてきた頃、仕事が少し落ち着いてきて、
ふと、自分の中に違和感が芽生えた。
このままやと、守りに入りそうやな、と。
新しいことを始める前に、
「今さら」「自分には合わん」「若い人ばっかり」
そんな理由を探すのが、だんだん上手くなってきていた。
それが一番あかん気がして。
一回やってから、好き嫌いを言おう。
そう思って、ひとりで音楽フェスに行くことにした。

行く前にいちばん気になっていたこと
正直、行く前はいろいろ考えた。
あのおじさん、一人で何してるんやろ。
場違いって思われへんかな。
誰かに何か言われるわけでもないのに、
勝手に周りの目を想像していた。
会場で気づいた、拍子抜けする事実
でも、会場に着いてすぐ気づいた。
誰も、他人のことなんか見ていない。
おじさんもいれば、
ひとりで来ている人も普通にいる。
みんな、自分の楽しみに来ているだけやった。
音が鳴った瞬間、消えたもの
音が鳴り出した瞬間、
年齢の意識はすっと消えた。
「あ、来てよかった」
そう思うまで、ほとんど時間はかからなかった。

そこから、どハマりした理由
それから、完全にハマった。
今では毎年2〜3回は行く。
ときには、大学生の娘と一緒に行くこともある。
考えてみると、音楽フェスはカラオケに似ている。
最初は、
下手やし恥ずかしいし、場違いかもと思う。
でも実際、他人の歌なんて誰も聞いていない。
自分がそうやから。
逆に、うじうじしている方が悪目立ちする。
どうせなら、スッと立って、全力で楽しんだ方がいい。
フェスに使うお金と時間の感覚
フェスに使うお金や時間を、
高いと思ったことは一度もない。
疲れたらタクシーを使う。
二日連続なら、現地の近くに泊まる。
一番条件のいい、優遇されたチケットを選ぶ。
若い頃なら、
「もったいない」と思っていたかもしれない。
今は、体験の質を上げるための出費やと思っている。
音楽以外に起きた、小さな変化
この経験は、音楽以外にも波及した。
ひとりで居酒屋に入れるようになった。
初対面の人と話すハードルが下がった。
新しいことに対して、腰が軽くなった。
娘との距離も、さらに近くなった。
もともと仲はええ親子やけど、
同じ話題で盛り上がれる。
二人で旅行にも行くようになった。
行かなかった未来を想像してみると
もし、あのとき行っていなかったら。
今も「若い人のもんやし」で終わっていたと思う。
娘と二人で出かけるなんて、
きっと、なかった。
まとめ
気になるなら、行ったらいい。
合わなかったら、帰ればいい。
一回試すだけで、
人生の半径は思っているより広がる。
年齢の線引きは、
だいたい自分の頭の中にしかない。
現場に行けば、案外あっさり消えるものやった。
####関連記事
➡なぜ50代は「行きたい」を先送りしてしまうのか
➡一人旅が「自分の最高の資産」になる瞬間|AIが広げる50代の自由時間
➡「また今度」で引き返してしまう夜の話

