「レザークラフト、どこで作業したらいいんやろ。」
始めたころ、そんなことを考えながら
ダイニングテーブルに道具を広げていた。
道具が少ないうちは問題なかった。
でも、少しずつ揃えていくうちに、
準備と片付けがじわじわとしんどくなってきた。
この記事では、ダイニングテーブルから始めて、
自分の部屋に専用の作業スペースを作るまでの話を書く。
音の問題、道具の収納、環境にお金をかけることへの迷い。
それぞれどう変えていったかも含めて。
これからレザークラフトを始めようとしている人や、
今の作業環境に少し不満を感じている人の参考になれば。
私は、50代からレザークラフトを始め、
財布・ペンケース・パスケースなど複数の作品を手がけてきた。
道具選びの失敗も、作業場所の変遷も、ひとつひとつ経験してきた。
最初はダイニングテーブルで始めた
道具が少ないうちは問題なかった
レザークラフトを始めたばかりのころ、
専用の作業台なんて用意していなかった。
道具はカッターマット、革包丁、菱目打ちに木槌くらい。
それをまとめてダイニングテーブルに広げて作業していた。
最初はそれで十分だった。
作業が終われば片付けて、テーブルを食卓として使う。
特に不便は感じていなかった。
道具が増えてきたら一変した
問題が出てきたのは、道具が増えてきてからだ。
数ヶ月で、縫い針・縫い糸・トコノール・コバ仕上げ剤・ポンチ類と、
どんどん荷物が増えていった。
毎回それを一式持ってきて、広げて、作業して、また片付ける。
この繰り返しが、じわじわとストレスになってきた。
「やろうかな」と思っても、
準備を想像するだけで少し気が重くなる。
趣味なのに、始める前から疲れているような感覚があった。
家族から「うるさい」と言われた
菱目打ちの音は意外と響く
ダイニングテーブルでもう一つ困ったのが、音の問題だった。
菱目打ちで縫い穴を開けるとき、木槌でカンカンと叩く。
自分では気にならなかったけれど、家族から「うるさい」と言われた。
集合住宅ではなく一戸建てでも、
ダイニングは家族みんなが使う場所だ。
音が響きやすい。
音の問題が、作業できる時間を狭めた
家族がいる時間帯は音が出せない。
昼間は仕事がある。
気兼ねなく作業できる時間が、どんどん限られてきた。
「今やってもいいかな」と毎回考えるようになって、
作業に集中できなくなった。
趣味が義務みたいになってきていた。
専用の作業スペースを作ることにした
自分の部屋に机を置いた
「作業場所を変えよう」と決めたのは、
ある夜に「今日もできなかった」と感じてからだった。
自分の部屋に専用の作業机を置くことにした。
家族のいるリビングから離れて、
音を気にせず好きなときに作業できる場所をつくる。
それだけのことだったけれど、
これが思った以上に大きな変化をもたらした。
机に引き出しをつけて、道具をそのままに
机を置くだけでなく、引き出しを追加して、
道具をそこに収めるようにした。
ペン立てに工具を立てて机の上に置き、
引き出しには材料や小物を入れる。
作業が終わっても全部片付けなくていい。
次に使うときは引き出しを開けるだけで始められる。
「片付けなくていい」という状態が、
想像以上に大きかった。
準備のハードルが下がると、少しの時間でも始められる
専用スペースができてから、作業の頻度が変わった。
以前は「ある程度まとまった時間がないと準備が面倒」という感覚があった。
今は30分の隙間時間でも自然と手が動く。
やる気があるときだけ趣味ができる、というのは実は続かない。
やる気に関係なく始められる環境が、趣味を長続きさせるんだと気づいた。
音の問題はハンドプレス機で解決した
思いきって買って正解だった
作業机は準備できた。でも音の問題はまだ残っていた。
そこで思い切ってハンドプレス機を買った。
菱目打ちの穴開けをハンマーで叩かずに、
レバーを押すだけでできる道具だ。
音がほぼ出なくなった。
家族がいる夜でも気兼ねなく作業できるようになった。
この一台で、作業できる時間帯が一気に広がった。
力もいらなくなって、仕上がりが変わった
ハンドプレス機のもう一つの効果は、力が要らなくなったことだった。
木槌で叩く作業は、慣れるまで力加減が難しかった。
深く入りすぎたり、うまく開かなかったりすることも多かった。
レバーを押すだけになってから穴の深さが安定して、
縫い目の仕上がりも変わってきた。
音の問題を解決するつもりで買ったのに、
作品のクオリティまで上がった。
道具を買う順番と音問題への対策はこちらの記事も参考にどうぞ。
道具の収納は「取り出しやすさ」で決まる
最初は道具箱を使っていた
作業スペースを作る前、道具の収納には市販の道具箱を使っていた。
持ち運びがしやすくて、最初はちょうどよかった。
でも道具が増えると、箱を開けて探して、また閉める、という手間が気になりだした。
何より、道具が重なってしまって、
下にあるものが取り出しにくい。
「レザークラフト 道具 収納」で検索して、
みんなどうしているか調べた時期もあった。
机周りに「見える収納」を作った
今は、よく使う道具はペン立てに立てて机の上に置いている。
引き出しには材料・糸・針などの小物を入れている。
すべてが「見える」か「すぐ開けられる」場所にある状態にしたことで、
作業の出だしが変わった。
何がどこにあるかを考えなくていいだけで、
始めるまでの時間が短くなる。
環境にお金をかけることも「豊かな浪費」だと思う
作業机もハンドプレス機も、安い買い物ではなかった。
お金を使ったから「続けなきゃ」とは思わない。
でも、結果として続けやすくなったのは確かだ。
楽しいのに、道具や環境を整えるお金を惜しんで、
ストレスを感じながら趣味をするのはもったいない。
好きなことを気持ちよくやれる環境づくりへの投資は、
私にとっての豊かな浪費だと思っている。
まとめ|作業場所が整うと、趣味の続き方が変わる
レザークラフトを始めてから、作業場所はこう変わってきた。
最初はダイニングテーブル。
道具が増えて準備と片付けが面倒になり、音で家族から苦情が来た。
自分の部屋に専用机を設置して、引き出しとペン立てで「出しっぱなし収納」にした。
ハンドプレス機で音と力の問題を解決した。
環境を変えただけで、趣味との向き合い方が変わった。
これからレザークラフトを始める人は、最初はダイニングテーブルで十分だ。
でも道具が増えてきたら、作業場所の見直しを考えてみてほしい。
それだけで、趣味の続き方がずいぶん変わると思う。
机を用意したことで、急にレザークラフトが上手くなったわけじゃない。
でも、少しの時間でも自然と手が動くようになった。
続けようと意識するより、始められる場所がある方が強い。
環境を整えることも、私にとっての豊かな浪費だと思う。
