レザークラフト 失敗作|財布を何度も作り直した50代の記録

レザークラフトで作った財布の失敗作と完成品を並べた写真 趣味
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財布にこだわりがある人間が、
自分で作るとどうなるか。
答えは「予想以上に手強い」やった。

私はレザークラフトを始める前から、
ずっと財布にこだわりがあった。
薄くて、コンパクトで、
ズボンのポケットに収まるもの。
いわゆるミニマリスト用の財布を
探し続けていた。

お店でも何度も試したけど、
これだと思えるものがなかった。

だからレザークラフトを始めたとき、
頭の中にあったのは
「いつか自分の財布を作る」という夢。
ただ、正直なところ、
本当に作れるようになれるとは、
あまり期待していなかった。

夢は「薄くてポケットに入る財布」だった

財布への執着は、かなり昔からある。
厚みが出るのが嫌で、
カードも最小限にしていた。
ズボンのポケットに入れたとき、
シルエットが崩れるのも気になっていた。

市販品を買うたびに、
「もう少し薄ければ」
「もう少し小さければ」と思い続けた。
サイズ・厚み・収納の数、
全部が自分の理想と微妙にズレていた。

レザークラフトを始めて
しばらく経ったとき、
ようやく「財布に挑戦できるかも」と思えた。
小物は何度か作っていたし、
道具の使い方もだいぶわかってきていた。

それで財布に取り掛かったわけやけど、
現実はそう甘くなかった。

いざ作ってみたら、失敗の連続だった

最初の失敗は、
完成した瞬間にわかった。

「薄い財布のつもり」が、意外と分厚くなった

革を選ぶとき、
できるだけ薄いものを選んだ。
設計図も引いた。
数字の上では薄いはずやった。
でも完成してみると、
思っていたより分厚い。

原因はシンプルやった。
革を何枚も重ねると、
その枚数分だけ厚さが積み重なる。
1枚1枚は薄くても、
カードポケット・札入れ・外側の革が
重なれば、当然ながら厚みが出る。

頭ではわかっていたつもりやったけど、
実際に手にするまでピンとこなかった。

折り曲げると、内側と外側がズレた

二つ折り財布の構造で、
もう一つ気づいたことがあった。

革を折り曲げると、外側と内側では
「必要な長さ」が違う。
外側は大きく弧を描くから、
内側より少し長くないとあかん。

これを考慮せずに設計したため、
折り曲げたときに内側と外側が
きれいに重ならなかった。
パッと見ではわかりにくいけど、
端がわずかにズレている。

革の厚さによって、
このズレ幅も変わってくる。
つまり設計の段階で、
使う革の厚さを前提にした
計算が必要やった。
それがわかったのは、
失敗してからやった。

失敗作を捨てずに残してある理由

何度か作り直した失敗作は、
今も手元に置いてある。
捨てようと思ったことはない。

理由は単純で、
将来また新しい財布を作るときの
参考になるから。
「こういう設計はうまくいかない」
という実物が手元にあるのは、
意外と心強い。
失敗作は「なぜうまくいかなかったか」が
そのまま残っている教材やと思う。

それに、久しぶりに見返すと
懐かしい気持ちになる。
「あ、このとき、
こんな失敗をしたのか」と思い出す。

仕上がりは当時の自分なりに
満足していたつもりでも、
今の目で見ると縫い目がズレていたり、
革の処理が甘かったりする。
それが「少しはうまくなったな」
という励みになる。

失敗作は、成長の記録でもあった。

何度失敗してもやめなかった理由

「また失敗するかもしれん」と
わかっていても続けられたのは、
理由がある。

使っていた財布が
ボロボロになってきていた。
作らないと、本当に財布がなくなる。
そのプレッシャーが、ある意味で
背中を押してくれた。

「夢の財布を作りたい」
という気持ちだけでは、
途中でやめていたかもしれへん。
「作らなあかん」という
現実的な理由が重なったから、
諦めずに続けられた。

嫌になる前に、完成を目指せた。
最初の目標は「完璧な作品」やなくて、
「使えるもの」に設定しておくと、
続けやすいと思う。

最終的に、自分が納得できる財布が
完成したときの満足感は、
市販品を買ったときとは
全然違うものやった。

レザークラフトで財布を作るときに知っておきたいこと

失敗を通じて学んだことを、
整理しておく。

革の総厚を計算してから設計する

使う革の枚数×厚さを足し合わせると、
完成時のおおよその厚みがわかる。
設計段階でこれをやっておかへんと、
「薄いつもりが分厚い財布」になる。

革の厚さの選び方については、こちらの記事に書いている。
革の厚さは何mm?失敗してわかった選び方

折り曲げる部分は外側を少し長くする

二つ折りや三つ折りの財布は、
外側と内側で必要な長さが違う。
革の厚さが増すほど、
このズレ幅も大きくなる。
薄い革ならほぼ気にならへんけど、
ある程度の厚さがある革では
計算が必要になる。

初心者でも財布は作れる。
ただ、小物よりは難しい。
折り曲げ・縫い・設計の三つが絡むので、
最初の1〜2個は失敗するつもりで
取り掛かるのが現実的やと思う。
いきなり理想の財布を目指すより、
まずシンプルな構造で
一度作ってみるのがおすすめ。

まとめ:失敗作は捨てなくていい

財布作りは、
思っていたより奥が深かった。
設計の段階で革の厚さを考慮すること、
折り曲げ部分の長さの計算。
どちらも、失敗してから初めて
「そういうことか」と腑に落ちた。

手元に残っている失敗作を見るたびに、
あのときの試行錯誤を思い出す。
縫い目のズレも、設計ミスも、
今となっては愛着がある。
失敗作は、うまくなった自分を
教えてくれるものやと思う。

財布を自作する一番のメリットは、
自分のこだわりを
全部詰め込めること。
厚み・サイズ・ポケットの数・素材、
全部を自分で決められる。
市販品では「惜しい」と感じていた部分が、
ひとつずつ解消されていく。
それは、買い物では
味わえない満足感やった。

財布作りの話は、こちらの記事も参考になります。
レザークラフトで財布を自作した理由
レザークラフトは難しい?初心者がパスケースを作って分かった本音