「趣味ってありますか?」
そう聞かれたとき、 なんて答えますか。
ゴルフ、釣り、ウォーキング。 50代になると、 だいたいそのあたりの名前が出てくる。
でも、「レザークラフトです」と答えると、 ちょっと違う空気が流れる。
私がそれを実感したのは、 会社の歓送迎会でのことでした。
この記事では、 レザークラフトをやってると話しただけで場が盛り上がった体験と、 上手くなくても話題になる理由を、 実体験をもとにお伝えします。
あまり話したことのない人と、趣味の話になったとき
歓送迎会の席で、 たまたま隣になった同僚と話すことになった。
普段の仕事上のやりとりはあるけれど、 プライベートな話をするような間柄ではない。
そういう席でよくある 「趣味ってなんですか」という会話になったとき、
私は「レザークラフトです」と答えた。
反応は予想の2倍くらい大きかった。
「え、なにそれ」 「すごい!」 「難しくないんですか?」 「手で縫うんですか?」
そこから10分くらい、 レザークラフトの話だけで盛り上がった。
普段ほとんど話さなかった人と、である。
初対面のオフ会でも、同じことが起きた
少し後に、 初対面の人が数人集まるオフ会的な場に参加する機会があった。
こういう場は最初の話題選びがむずかしい。 共通の話題がない状態から会話を作るのは、 正直しんどいこともある。
でも、趣味の話になってレザークラフトの名前を出したとき、 またあの反応が起きた。
「え、革細工ですか」 「手作りで財布とか作れるんですか」
知らない人がぐっと前のめりになってくる。
帰り道に思った。
これ、レザークラフトって、 話題としてかなり強いんちゃうか、と。
よく聞かれる3つの質問
何度か同じ経験をしていると、 聞かれることがだいたいパターン化されてくる。
「難しいよね?」
これが一番多い。 革を使って何かを作るというのが、 なんとなく職人仕事のイメージと重なるらしく、 難易度をかなり高く見ている人が多い。
「手で縫うの?」
縫うという行為に驚く人が多い。 ミシンじゃないの、という感じ。 手縫いだと聞くと、 さらに「それは大変そう」となる。
「数時間でできるもんなの?」
時間感覚を聞いてくる人も多い。 小さな小物ひとつでも、 それなりに時間がかかるとわかると 「やっぱりそうか」という反応になる。
どの質問も、 レザークラフトを「自分には遠い世界のもの」として 見ているところから来ている気がする。
だから「実はそこまで難しくないんですよ」と話すと、 さらに食いついてくれる。
自作の財布を見せたとき、言われた一言
ある日、自分が使っている財布を見せながら話していたら、 相手がこう言った。
「財布って、自分で作れるもんなんだ」
それを聞いたとき、少し驚いた。
財布は当然どこかで買うものだと 思っている人がほとんどなのだろう。
「自分で作れる」という事実だけで、 へえ、という反応になる。
完璧じゃない財布でも、十分すごかった
正直に言うと、 その財布は完璧な出来ではなかった。
縫い目が少しズレているところがある。 革の厚みも、もう少し薄くしたほうがよかった。
でも大きさと使い勝手は、 自分なりにかなりこだわって作った。
型紙から試行錯誤して、 ポケットの位置やサイズを調整した。 その部分は、市販のものより自分に合っている。
相手は縫い目のズレには気づいていない。 というか、気にしていない。
「財布を自分で作れる人だ」という事実だけが、 相手の中に残っている。
上手くなくても話題になる、2つの理由
なぜレザークラフトは、 これほど話題になりやすいのか。
経験を重ねながら、 少しずつ見えてきたことがある。
レザークラフトは「イメージが難しい趣味」
革を使って何かを作る、という行為は、 一般的に「職人の仕事」というイメージが強い。
ゴルフや料理と違って、 日常の延長線上に見えにくい。
だから「自分でやっている人」というだけで、 ちょっと特別な存在に見えるらしい。
実際には、始めること自体はそれほど難しくない。 道具を揃えて、革を買って、縫うだけだ。
でも外から見ると、それが難しそうに見える。
このギャップが、 話題になる理由のひとつだと思う。
やっている人が少ないから、それだけで珍しい
料理が趣味という人は多い。 読書も、映画鑑賞も、ゴルフも、たくさんいる。
でもレザークラフトが趣味、という人は、 まだ少ない。
話題の希少性という意味で、それが大きい。
珍しいというだけで、人は自然と興味を持つ。 「どんなものを作るんですか」という会話が 自然に生まれる。
始めて1年で、ミンネで売れているわけでもなく、 最近あまり作れていない時期もある。
それでも話題になるのは、 「続けているかどうか」より 「やっているという事実」の方が、 相手には響くからではないかと思う。
老後に趣味を持つことの、思わぬ副産物
50代になると、人間関係が少しずつ変わってくる。
定年が近づくにつれて、 職場の関係も薄くなっていく。 子どもが独立すれば、 家族との時間の使い方も変わる。
気がつくと、 会話のきっかけになるものが減っていく。
そういう時期に「これが趣味です」と言えるものを 持っていることは、思ったより大きな意味を持つ。
レザークラフトを始める前、 趣味を聞かれると少し困っていた。
「なんとなくボーッとしてる」とか、 「特にないかも」とか。
それより「革細工をやってます」と言える今の方が、 会話がずっと楽になった。
うまいかどうかは、あまり関係ない。 やっているかどうか、だ。
「この人と話してみたい」と思ってもらえる何かを、 ひとつ持っておく。
それだけで、 50代以降の人間関係はずいぶん変わる気がしている。
まとめ:下手でも、やっているだけで十分だった
レザークラフトをやっていると話しただけで、 あまり話したことのない人と盛り上がった。 初対面の場でも、同じことが起きた。
よく聞かれるのは 「難しいよね?」「手で縫うの?」「数時間でできる?」の3つ。
財布を見せると 「財布って自分で作れるもんなんだ」と言われた。 縫い目がズレていても、関係なかった。
話題になりやすい理由は、 イメージの難しさと希少性だと思う。
上手くなくても、続いていなくても、 「やっている事実」の方が相手には伝わる。
老後の趣味として始めたレザークラフトが、 思わぬ形で人間関係の入り口になっていた。
それは、始める前には想像していなかったことだった。
うまく作れるかどうかより、「やっている」という事実が人との距離を縮めてくれた。
レザークラフトは、ものづくりの趣味であると同時に、50代の会話の入り口にもなる。
老後の孤立を恐れるより、話せるものをひとつ持っておく。
それだけで、人間関係はずいぶんと軽くなると思う。
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