これまで、趣味らしい趣味がなかった。
休日はあっても、時間をどう使えばいいのか分からず、なんとなくテレビの前に座って一日が終わる。
そんな日が増えていく未来を、どこかで想像していた。
老後のことを考えると、不安は静かに積み上がっていく。
時間を持て余して、どんどん老け込んでいくんちゃうか。
孤独感が増して、楽しみが減っていくんちゃうか。
口には出さへんけど、そんな感覚があった。
老後のための趣味を探していた頃の自分
そんな中で始めたのが、レザークラフトやった。
最初は「老後のための趣味」を探していた、という表現が一番近い。
何か手を動かすこと。
できれば一人でも続けられること。
そんな条件で、たまたま目に入ったのが革やった。
正直、最初からハマると思っていたわけじゃない。
むしろ「どうせ続かんやろ」という気持ちのほうが強かったと思う。
休日が「待ち遠しい時間」に変わった
でも、やってみると少しずつ感覚が変わっていった。
休日が近づくと、
「次はここを作ろうかな」
「あの革、使ってみようかな」
と、作業をする時間が待ち遠しくなる。
終わったあとには、
「今日は何もしてへん」じゃなくて、
「今日はちゃんと使ったな」という感覚が残る。
時間はあっという間に過ぎるけど、
終わったあとの気分は、不思議と満たされている。
もし、レザークラフトをしていなかったら。
今もきっと、休日はテレビの前に座っていたと思う。
それが悪いわけじゃないけど、
「今日、何してた?」と聞かれたときに、答えに詰まる感じは、今でも想像できる。
失敗を恐れなくなった、お金の使い方
続けていく中で、ひとつ意外な変化があった。
お金の使い方や。
革って、決して安くはない。
以前の自分なら、
「失敗したらもったいない」
「この革、無駄にしたらどうしよう」
と考えて、なかなか手を出せなかったと思う。
でも、今は違う。
失敗してもいいから、切り出す。
うまくいかなくても、とりあえずやってみる。
大胆に革を使うようになった。
これは、レザークラフトの技術が上がったから、というより、
失敗を許せるようになったという変化やと思っている。
趣味が、人生の先送り癖を減らしてくれた
不思議なことに、この感覚は、
レザークラフト以外の場面にも、じわっと広がってきた。
楽しいことは、どんどんやる。
迷って先送りすることが、明らかに減った。
「完璧にできるかどうか」より、
「やってみたいかどうか」を先に考えるようになった気がする。
センスより大事やった“本当のハードル”
よく、レザークラフトは
「センスがある人の趣味」
「器用な人向け」
と思われがちやけど、実際にやってみて感じたハードルは、そこじゃなかった。
今は、型紙も手に入る。
レザートレイみたいな、シンプルなものもある。
ある程度の手作りに興味があって、
少しの器用さと根気があれば、誰でもできる。
しかも、できたものが不細工でも、
身内が普段使いするくらいなら、だいたい喜んでくれる。
上手さより、距離感。
完成度より、使われること。
その感覚に気づいたとき、
「趣味って、これでええんやな」と思えた。
始める前の自分に、ひと言だけ言うなら
始める前の自分に、もし一言だけ声をかけるなら、こう言うと思う。
少額から始められるし、
つべこべ頭で考えてる時間があるなら、とりあえずやってみろ。
向いてなければやめたらいいし、休めばいい。
趣味は、続けなあかんものでも、
極めなあかんものでもない。
老後のために、完璧な準備をする必要もない。
まとめ|失敗してもいい時間が、未来を軽くする
ただ、
「やってみてもいい」
「失敗してもいい」
そう思える時間が、ひとつあるだけで、
未来の景色は少し変わる。
レザークラフトは、
革を切る趣味やったけど、
自分の中では、
先送りを切り落とす練習やったのかもしれへん。
老後は「不安な時間」やなく、
「まだ試せる時間」。
そう思えたこと自体が、いちばんの収穫やった。
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