娘に「これ作って」と言われた。
市販のポケットティッシュケースを見せながら、 「カバンにぶら下げられるやつが欲しい」と。
重度の花粉症の娘は、春になるとティッシュが手放せない。
バッグの中をごそごそ探す時間が地味にストレスらしく、 すぐ取り出せるように外につけられる
ケースが欲しいということだった。
見せてもらった市販品を見て、私は思った。
「あ、これ、すぐ作れる。」
単純な構造で、在庫の革でちょうどいいものがあった。
それに、こういう依頼、正直うれしい。
頼まれてから2時間で完成した話
レザークラフトをやっていると、「何を作ろうか」と迷う時間が意外と長い。
でも今回は違った。
依頼があって、お手本があって、サイズも用途も明確だった。
まず図面を描いた。
ポケットティッシュのサイズに合わせて、出し入れしやすい開口部の幅を決める。
カバンに引っかけるためのストラップをどこに付けるか。 革の厚さは何を使うか。
そのへんを考えながら、すでに手は動いていた。
革を裁断して、縫い穴を開けて、手縫いで仕上げる。 ストラップ部分を取り付けて、
コバを整える。
気づいたら、依頼から2時間後には娘の手元にあった。
「早っ」と言われたけど、それだけシンプルな作りだったということでもある。

「ちゃんと使ってるで」が、一番うれしかった
渡したときに喜んでもらえるのは、もちろんうれしい。
でも、それ以上にうれしかったのは、 先日娘と会ったときに
**「ちゃんと使ってるで」と言われた瞬間**だった。
バッグにぶら下がったケースを見せてくれて、 中にポケットティッシュがきちんと収まっていた。
渡した瞬間の笑顔より、日常に溶け込んでいる姿を見たときの方が、じわっとくるものがある。
作ったものが、誰かの毎日に使われている。
それがレザークラフトを続けている理由の一つなんやと、改めて思った。
革を無駄にしない設計にこだわった
実は、今回地味にこだわった部分がある。
革の無駄をできるだけ出さないようにすること。
私はよくA4サイズやA3サイズで革を購入する。 それに合わせて型紙を設計すると、端材が少なくて済む。
今回のポケットティッシュケースは、
A4サイズの革からちょうど3個取れるようにサイズを調整した。
1枚の革から3個分。これが決まったとき、なんか気持ちよかった。
パズルのピースがぴったりはまった感覚に近い。
こういう小さなこだわりが、作業の楽しさのひとつでもある。

「専用品」を作れるのが、自作の強みだと気づいた
今まで私がレザークラフトで作ってきたものの中に、「何でも入れられる小物入れ」がある。
用途を決めずに作る、いわば万能入れ物。 これはこれで便利で、需要があると思っていた。
でも今回、娘からの依頼で気づいたことがある。
「これ専用の入れ物」というのも、自作だからこそ作れる、ということ。
市販品は、ある程度の需要がないと商品化されない。
でも自作なら、「この人のこの用途のためだけのもの」が作れる。
花粉症の娘が、春のお出かけで毎日使うためだけのケース。
そう考えると、レザークラフトの価値って、「上手に作れること」だけじゃないんやなと思う。
誰かの日常の、ちょっとした不便を解消する道具を、自分の手で作れる。
それが一番の強みなのかもしれない。
まとめ|作る喜びより、使われる喜び
今回の経験をまとめると、こういうことになる。
「頼まれて作る」は、レザークラフトの楽しさを一段引き上げてくれる。
何を作るか迷わなくていい。 用途が明確だから設計がしやすい。 そして何より、使ってもらえることが最初から約束されている。
娘のバッグにぶら下がったケースを見て、私は思った。
趣味って、自分が楽しむだけじゃなくていい。
誰かの役に立つ瞬間があると、続ける理由がもう一つ増える。
レザークラフトを始めようか迷っている人がいれば、 こんな使い方もある、ということを知ってもらえたらうれしい。
まず一個、身近な人に「何か作ろうか?」と聞いてみるところから始めてみてもいいかもしれない。
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