「タクシーなんか、もったいない」
妻は、雨の中を20分、傘をさして歩いて帰ると言う。
駅から家まで、歩いて20分。
タクシーなら、1000円ほど。
その日は雨で、しかも買い物の荷物も多かった。
私は、ノールックでタクシーに乗る。
妻は、もったいないと言って歩く。
毎日の話やない。
雨の日、荷物が多い日、疲れてる日。
そんなイレギュラーな時くらい、
1000円払って楽をしてもいいと思う。
でも妻は、その1000円が惜しい。
濡れずに、10分早く、座って帰れるのに。
これは、どっちが正しいという話やない。
お金の使い方の、価値観の違い。
そして私は、この違いの中に、
50代がお金とどう付き合うかの答えがある気がしてる。
妻は徹底した節約家、私は使う派
うちの妻は、根っからの節約家や。
いや、節約家というより、ケチに近いかもしれん。
1円でも安い方、我慢する方を、いつも選ぶ。
日常では、とにかくお金を使わない。
ただ、誤解のないように言うておくと、
旅行のときだけは、ちゃんとお金を使う人や。
そこは、私と一致してる。
私は、妻とは逆。
使うべきところには、ためらわずに使う。
ただし、何でも買う浪費家ではない。
ここが、いちばん大事なところやと思う。
決定的な違いは「家電の選び方」
妻との価値観の差が、いちばん出るのが家電を買うときや。
家電量販店に行くと、妻はまず値札を見る。
一番安い機種を見つけて、それに決める。
そして、「これでも問題ない理由」を後から並べる。
安く済ませるためなら、多少理屈が苦しくても、
無理やりにでも、それを選ぶ理由を作る。
私は、逆の順番で考える。
まず、自分の生活に何が必要かを考える。
どの機能があれば、暮らしが楽になるか。
それで選んで、最後に値段を見る。
妻は「安いから、これでええ」。
私は「必要やから、これにする」。
同じ家電を買うのでも、
「安さ」から選ぶか、「価値」から選ぶか。
出発点が、まるで違う。
そして、安さだけで選んだものは、たいてい後で後悔する。
機能が足りん、結局使わなくなる、買い直す。
逆に、必要な機能から選んだものは、長く活躍してくれる。
お金の使い方には、3つの道がある
妻と暮らしてきて、気づいたことがある。
お金の使い方には、大きく3つの道がある。
1つ目は、「節約」。
とにかく使わない。安い方を選ぶ。我慢する。
妻は、この道を歩いてる。
2つ目は、「無駄遣い」。
考えなしに、欲しいだけ買う。
あとで「なんで買ったんやろ」と後悔する。
そして3つ目が、「豊かな浪費」。
ただ安いから、ただ欲しいから、では選ばない。
自分にとって価値があるかどうかで、お金を使う。
節約でもない。無駄遣いでもない。
この第3の道が、私がたどり着いた答えや。
豊かな浪費とは、何を買うことか
豊かな浪費とは、モノを買うことやない。
お金で、時間や快適さや、体験を買うことや。
さっきのタクシーの話。
あれは、1000円で「濡れない快適」と「10分の時間」を買ってる。
ただの移動やない。
数年前、私は家庭用のプロジェクターを買った。
安い買い物やなかった。
妻には、当然いい顔をされんかった。
でも、あれを買ってから、
家族で映画を観る夜が、何度も生まれた。
あれは、モノやなくて、家族の時間を買ったんやと思う。
50代になって、はっきりわかったことがある。
残りの時間も、体力も、無限やない。
その中で、お金を「安く済ます」ためだけに使うのは、
あまりにもったいない。
最近、妻が少しだけ変わった
ずっと平行線やった、妻との価値観。
でも最近、ほんの少しだけ、変わってきた。
きっかけは、3つ。
ひとつは、家計を見える化して、
老後に使えるお金が、はっきり見えたこと。
もうひとつは、新NISAで、将来の見通しが立ったこと。
そして、『ダイ・ウィズ・ゼロ』という本を、妻に渡したこと。
お金は、貯めたまま死んだら、意味がない。
使ってこそ、価値になる。
そんな考え方を、何度も妻に話してきた。
すると、少しずつ、私の意見も聞くようになった。
染み付いた節約ぐせは、たぶん一生治らんやろう。
でも、それでええと思ってる。
正直に言うと、浪費する妻より、
ケチな妻の方が、よっぽどマシや。
その分、私が豊かな浪費をすればいい。
まとめ:あなたのお金は、何のために使う?
50代は、お金との付き合い方を見直す時期やと思う。
節約だけでは、人生が少しずつ貧しくなる。
無駄遣いだけでは、あとで必ず後悔する。
大事なのは、その真ん中。
価値あるものに、ためらわず使う「豊かな浪費」や。
あなたが今日使った1000円は、どっちやった?
ただ安く済ませるための1000円か。
考えなしに消えた1000円か。
それとも、時間や快適や、満足に変わった1000円か。
お金は、貯めるためやなく、
人生を豊かにするためにある。
50代になった今、私はそう思ってる。

