50代の同窓会は、老後の「集まる練習」

居酒屋で4人が乾杯する手元、再会を祝う50代仲間の集まり 家族と仲間
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「基本、何もしてないわ」
3つ上の先輩は、ビールを片手に、苦笑いでそう言った。

5年前に57歳で早期退職した先輩の一言。
会社の早期退職制度に乗ったらしい。
早く辞めたら退職金が少し多めにもらえる、というやつ。

5年経った今、どう過ごしてるのか聞いてみた。
返ってきた答えは、思った以上に淡々としてた。

「基本、何もしてない」
「お金にも余裕がない」
「でも、規則正しい生活はしようと思って、朝はちゃんと起きてる」

別に、先輩を責めてるわけやない。
ただ、その姿が、自分の5年後10年後と重なって見えてしまった。

定年後、誰と何をして過ごすのか。
ちゃんと考えて準備してる50代は、どれくらいおるんやろう。

私は、今年から動き出した。
その第一歩として、大学時代のサークル仲間に、自分から声をかけ始めた。

「老後にいきなり集まる」のは無理。だから今から「集まる練習」

定年したら、自由な時間が一気に増える。
そのとき、誰と過ごすのか。
仕事仲間は、会社を辞めたら自然に疎遠になっていく。
家族もそれぞれ独立していくし、夫婦の時間だけで毎日を埋めるには限度がある。

「定年してから、また昔の友達と集まろう」
私もずっと、そう思ってた。
でも、60歳になっていきなり「久しぶり、集まろうや」と連絡しても、
相手は「誰?」「今さら?」となる可能性が高い。

老後にいきなりゼロから仲間を作るのは、しんどい。
だから50代の今から、少しずつ「集まる練習」を始めるしかない。

そう思って、まずは学生時代のソフトボールサークルの仲間に、
もう一度ちゃんと集まる機会を作ろうと、自分が幹事を引き受けた。

幹事メンバー数人で手分けして、
ずっと顔を合わせてなかったOBに、20人ほどメールを送った。
自分の年齢の上下に向けて、片っぱしから連絡を入れた。
ローラー作戦みたいな感じになった。

結果、10人集まった。
少ない、と思うかもしれん。
でも、私は十分やと思ってる。
来年も続ければ、また数人増えるかもしれん。
「徐々に」が、集まる練習のスタンスやと思う。

5年ぶりに連絡した同期は、来なかった。それでも送ってよかった

私が個人的に連絡した同期は、1人だけやった。

5年ぶりに、メールを打った。
打ち込みながら、正直、気まずい気持ちはあった。

「今さら、なんやと思われへんやろか」
「向こうも子育てか仕事で忙しいやろし、迷惑とちがうやろか」

そう思いながら、それでも送ってみた。
返事はすぐ来た。

「ごめん、今は無理やわ」

理由を聞いたら、まだ子育て中で、仕事も忙しいらしい。
老後とか正直まだピンと来ない、と言うてた。

確かに、まだバリバリ働いてる年齢やと、
老後の話なんか頭に入ってこん。
私もちょっと前まで、そうやってた。

でも、メールの最後にこう書いておいた。

「老後にいきなり集まるのは無理やから、
今のうちから集まる練習をしておきたい。
気が向いたら、いつでも声かけてや」

返事として、「了解、覚えとくわ」が返ってきた。

来てくれんかったけど、種は撒けたと思ってる。
これが大事や。
3年後、5年後、その種が芽を出すかもしれん。
出なくても、それでええ。

連絡しないまま70代になる方が、ずっと怖い。
そう思えたら、メール1通の勇気は出てくる。

動けるうちに動かんと、ああなる

OB会の当日、3つ上の先輩の話を聞きながら、
ずっと頭の中で同じ言葉が回ってた。

「動けるうちに動かんと、ああなる」

先輩のことを悪く言うてるんやない。
むしろ、自分も気を抜いたら同じ未来を歩くと思った。

退職金が少し多めにもらえるからと、
何の準備もせずに57歳で会社を辞めてしまった先輩がそうやった。
そして5年経って、することもなく、お金にも余裕がない。
でも朝はちゃんと起きてる。

これを聞いたとき、ゾッとした。
自分が60歳のとき、同じことを言うてる姿が、簡単に想像できた。

定年後の準備は、お金だけやない。
仲間も、趣味も、健康も、どれも現役のうちにやっておかんと、
退職してからゼロから作り直すのは難しい。

特に、仲間がいちばん問題や。
これは、お金で買えん。
そして、急には作れん。

だから50代の今から「集まる練習」を始めた。
学生時代の仲間に声をかけて、少しずつ輪を広げていく。
断られても、種を撒いていく。

そうやって、3年後5年後の自分の老後を、
今、少しずつ作り始めてる。

老後の仲間は、座って待ってても来ない

来年も、その次も、私は幹事を続けていくつもりや。
毎年、新メンバーを2人3人と増やしていきたい。
それが、10年後の自分の老後を支えてくれると信じてる。

50代の同窓会で気づいたのは、シンプルなことやった。

老後の仲間は、座って待ってても来ない

定年してから「さあ、誰と過ごそう」と探しても、もう遅い。
60歳から仲間作りを始めても、相手も同じ状況で、
お互い遠慮し合って終わる可能性が高い。

だから、50代の今から動く。
メールを1通送る、声を1回かける、同期に1本連絡する。
小さなことを積み重ねていくだけで、
3年後5年後の景色は確実に変わってくる。

5年前に57歳で早期退職した先輩の姿は、
明日の自分かもしれん。

そうならんように、今、動いておく。
それが、50代の私が見つけた答えやった。

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