認知症の母が一人暮らしだった頃、冬はいつも不安だった
認知症の母が一人暮らしをしていた頃、冬になるとこちらとしては常にヒヤヒヤする不安がありました。
ある日、赤外線ヒーターの前に置いていた椅子に、たまたま掛けていたカーディガンが焦げてしまったことがありました。──あれは本当に怖かったです。
「これは、家を燃やすかもしれない……」
一度こういうことがあると、火を使う暖房器具は暖かさよりも“事故リスク”が先に頭をよぎります。安心感を持って冬を過ごすことの難しさを痛感しました。
さらに困ったのが、赤外線ヒーターやファンヒーターはスマートリモコンで制御できないものが多いこと。外出先からON/OFFを操作できないのは、認知症の親を見守っている身として大きな不安材料でした。
パネルヒーターに変えて感じた「安心」の大きさ
最終的に私が選んだのが、パネルヒーターでした。
- 火を使わない
- 触れてもやけどしにくい
- 布やカーテンが近くても危険性が低い
- 一部は赤外線リモコン対応で、スマートリモコンで遠隔操作できる
この“圧倒的な安心感”は、介護家庭にとって計り知れない意味があります。
実際に設置してみると、部屋全体がふんわり暖かい。赤外線ヒーターのような「一点集中の熱さ」と違って、やわらかく広がる暖かさでした。
火事の心配がほぼなく、つけっぱなしが不安なときはスマホでスッと確認できる。この“家族の気持ちの余裕”こそ、本当に価値があると感じました。
暖房器具の投資は暖房費ではなく、「心配する時間」という精神的な機会損失を防ぐための支出なんだと痛感しました。
パネルヒーターの特徴(メリット・デメリット)
メリット
- 火を使わない安全性
- 静音(ほぼ無音)
- 乾燥しにくい
- 空気が汚れない
- 操作がシンプルで高齢者向き
デメリット
- 暖房力は弱め(即暖性はない)
- 広い部屋のメイン暖房には向かない
- 電気代はやや高め(160〜800W)
パネルヒーターと他の暖房器具の比較
| 暖房器具 | 暖房力 | 乾燥 | 安全性 | 音 | コスト | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| パネルヒーター | 弱〜中 | 乾燥しにくい | ◎ | ◎(無音) | 中 | 高齢者、補助暖房 |
| 赤外線ヒーター | 強い | やや乾燥 | △(焦げリスクあり) | ◎ | 低〜中 | 即暖したい人 |
| ファンヒーター | 強い | 乾燥しやすい | △ | △ | 中〜高 | リビング・広い部屋 |
| エアコン | 強い | 乾燥しやすい | ○ | △ | 低〜中 | 部屋全体の暖房 |
母の場合はとくに、火を使わない・乾燥しにくい・静かの3つが決め手でした。
ここからは、比較表の中でも「実際に使いやすかった」と感じた3つのモデルを詳しく紹介します。用途によって選び方も変わるので、あなたの家に合うタイプをチェックしてみてください。
おすすめパネルヒーター3選(リンク付き)
① 山善 DP-SB1610
足元用として使いやすく、音が静かで“置くだけ”の手軽さが魅力。
- 160Wで経済的
- 本体が軽く、移動もラク
- シンプル操作で高齢者向き
② 夢暖望 660型
「やわらかい暖かさ」で有名な定番モデル。高齢者の部屋で使われることも多い。
- 400W/660Wの2段階
- 乾燥しにくい
- 子ども・高齢者にも人気
③ サンルミエ E800LS
部屋全体をじんわり暖めるタイプ。エアコンが苦手な方におすすめ。
- 400W/800W
- 遠赤外線でふんわり暖かい
- 風がなく、静音性が高い
介護家庭でパネルヒーターが選ばれやすい理由
介護をしていると、どうしても“心配の種”が尽きません。私たちは無意識のうちに、多くの精神的体力を消耗しています。
- 熱源が布に触れて事故につながる可能性
- つけっぱなしに気づけない不安
- 冬のヒートショック
- 乾燥しすぎる暖房の負担
パネルヒーターに変えてからは、暖房によるストレスがほぼゼロになりました。
暖房器具は「暖かさ」だけで選ぶ時代じゃない。
家族が安心して過ごせるかどうかも大事なポイントです。
今日できる一歩|冬の安全ポイントを見直す
冬の安心感は、小さなチェックから大きく変わります。
今日できる一歩として、あなたの家の「冬の安全ポイント」を見直してみてください。
- カーテンの近くに熱源がないか
- つけっぱなし防止の対策があるか
- 高齢者の部屋が乾燥しすぎていないか
- 補助暖房が必要な場所はどこか
たったこれだけのチェックでも、冬の安心感は大きく変わります。
もし補助暖房を探しているなら、パネルヒーターという“安全な選択肢”を一度検討してみてください。
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